このブログは年間12棟以上の”若年層でも手が届く高性能住宅”を手掛ける私が、自宅の超高性能住宅の暮らし、インテリアなど家づくり全般のことについて発信しています。
2023年1月、、、物凄い寒波ですね。
TVでは連日、電気代が前年と同じ消費量なのに1万5千円も高くなった!!とか
節電して、前年の同じ月より消費量は減ったのに1万円も高くなった!!とか、、、
雪国の方では、2023年1月の電気代の請求が15万円もきた。節電してもこれならどうしていいのか分からない、、、
などなど、各所全国から電気料金に関する悲鳴が聞こえてきます。
寒がりで冬が大嫌いなので早く春になってくれないかなぁと思う筆者ですが、、、
この寒い時期になると、自宅は高気密高断熱にお金かけて家建てて良かったなぁと思いますね。
私はローコスト住宅を主に扱う父の不動産・建築会社を2015年あたりから徐々に継ぎまして、2017 年に1棟目の自邸もローコストで新築しました。
それはそれで価格が安く月々の支払も抑えられていたので、それなりに満足していたのですが、、、
お客様により良い住宅の提案をさせて頂くため、この二つに関心を持つようになりまして、
2020年12月に1棟目の住宅を売却し、30坪平屋の超高気密高断熱の家を新築しました。
そして、、、
ここ2週間で断熱性能ごとにどのくらい室内温度が違うのか?
築50年~最新の高気密高断熱の家の室内温度データ(サーモグラフィー画像)を撮り漁ってきました。
ついに、少しばかりですが、、、
高気密高断熱の家ってどうなの?
これが、自分の中で答えが出た気がしますので、シェアしていきます。
今回は、家の断熱性能ごとの室内温度の快適差や電気代、そしてどのくらい初期コストがかかるのか?
撮影、ブログ執筆まで合計3日間を費やしたこの貴重な情報を皆さんにシェアします!!
断熱性能のグレードについて
室内温度と電気代を比較していく前に。
令和の時代に新築住宅を建てる場合、全ての家が冬に暖かく、夏に涼しい高断熱な家になるわけではありません。
断熱性能の良い順から、、、
と、大まかに6つのグレードがあります。
各会社の思想や価格帯により、どの程度の断熱性があるかは大きくバラツキがあり、それによって室内の快適度も大きく変わります。
なんとなく、新築なんだから大丈夫だろう。
この思考は、要注意です。
ローコストでも全然良いんです。
分かった上で、理解した上で決断をしましょう!
築50年の住宅
- 築50年
- 約28坪(92㎡)
- 断熱等級1(無断熱住宅)
車でいうと、1ℓあたり2、3km程度の燃費の車かな、、、
50年前のランクル56とか、そのあたりのイメージ。
サーモグラフィー画像で室内温度を確認
※撮影条件:所在は長崎市、撮影日は2023年2月4日 午後20時、曇り、外気温8℃ エアコンでは力不足なのか、石油ストーブを使用していました。
※サーモグラフィー画像は赤や青で表示された色温度だけに引っ張られるのでなく、①、②、③などの番号のそれぞれの温度を参考ください。
※このサーモグラフィー画像を生成している機材は1℃~最大4℃程度の誤差があるようです。ですので、参考程度に見る必要があること。ですから、自分の実感も踏まえて補足解説していきます。
リビング(奥にダイニングキッチン)
撮影のご協力頂いたのは、妻のご実家です。
リビングに石油ストーブ。奥に見えるのはダイニングキッチン(約16帖)で、その反対方向には和室(約8畳)があります。
おそらく、全部で20帖くらい?
石油ストーブのまわりは暖かいです。
エアコンとは違ったじんわりと暖まる輻射熱が心地よい。
少し離れた床はところどころ寒さを感じる部分があります。
奥のキッチンで皿洗いをしている妻とその祖母の足元は結構冷たそう。
キッチン
先程のキッチンです。
壁温度18.5℃に対して、床温度が15.2℃です。
さすが石油ストーブ。思ったよりは暖かいな~と思いました。
自分はヒートテック靴下を履いていたので、大丈夫でしたが裸足だと厳しいでしょう。
和室
キッチンの反対側にある和室です。
石油ストーブがあるリビングの隣の部屋ですね。
2枚建ての襖で間仕切られており、ここを開けるとリビングに冷たい風が舞い込んでくるので、撮影前までは閉めておりました。
トイレ
廊下を挟んですぐのところにあるトイレです。
便座が光り輝いています。
外気温8℃に対して、無断熱でも家の中は3℃程度暖かいのですね。
ストーブがあるリビングから廊下を挟んですぐのところにトイレがあるので、その分暖かいのかもしれません。
築30年の住宅
- 築30年
- 34坪(112㎡) / 2階建て
- 断熱等級3(平成4年基準)
築30年だと、九州だととりあえず断熱材入れときましょか~の時代です。Ua値だと1.5以上、断熱等級3付近です。
車の燃費で表現すると、1ℓあたり6~8km程度かなと思います。
サーモグラフィー画像で室内温度を確認
※撮影条件:所在は長崎市、撮影日は2023年1月26日 午後13時、晴れのち曇り、外気温6℃でエアコンは200V 18帖用を23℃風量自動です。
※サーモグラフィー画像は赤や青で表示された色温度だけに引っ張られるのでなく、①、②、③などの番号のそれぞれの温度を参考ください。
LDK(14.5畳)
- ①床温度 / 13.8℃
- ②壁温度 / 17.9℃
- ③天井温度 /18.5℃
- 最低温度 / 11.5℃
ヒートテックを着ていたので体は寒くは感じませんでした。壁温度も18℃近くありますし。
ただ、床温度が13.8℃しかなく、体は寒くないけど足元が冷たく不快な感じ。
靴下もヒートテックなので問題ありませんでしたが、裸足だと厳しいでしょう。
外気温が3℃低いとはいえ、先ほどの築50年の家よりも床温度が3.6℃低い。
本当に快適にするにはエアコンの設定温度を上げるか、石油ファンヒーターとの併用になるのでしょうか?
エアコンのまわりと、天井が暖かいです。
暖気は上にあがっていく性質があるので、このように断熱性能が低い住宅は床が寒く、天井が暖かくなりますね。
私も7年前は築30年の中古物件に住んでいたのでわかるのですが、足元や窓際、ひえっひえなんですよね、、、
頭寒足熱ということわざにもある通り、足元を暖かくする必要がありますね、、、
キッチン
- ① 床温度 / 15.5℃
- ② 壁温度 / 18℃
- ③ 天井温度 / 18.2℃
- 最低温度 / 12.4℃
こちらも同じくですね。壁も18℃なので20℃以上出来れば欲しいです。
トイレ、洗面所
トイレは暖房便座だけ暖かく、床、壁、天井の温度は約5℃です。
外気温が約6℃なので、同じくらいの温度なのでしょう、、、
ガクガクブルブル震えながら用を足す必要がありますね、、、
洗面所も同じく約5℃しかないです。お風呂場に浴室暖房があるので助かっているそうです。
まさかの無断熱の家よりも寒い結果となりましたが、無断熱の家は熱源があるリビングからトイレまでの距離がとても近かったです。
こちらの家は、リビング(エアコン)からトイレと洗面所の距離が遠いんですよね。
しかも、廊下が大きな吹き抜けになっているため、この築年数の断熱性能では、リビングからトイレや洗面所に暖気を飛ばすことが出来ません。
築6年の住宅のローコスト住宅
- 築6年(2017年新築)
- 33坪(109㎡) / 2階建て
- 断熱等級4(平成25年基準)
- 気密性能は不明(おそらく面材無しなのでC値2.0以上)
このお家はZEHレベルより若干下の断熱性能。車でいうと1ℓあたり8~12kmの燃費。
サーモグラフィー画像で室内温度を確認
※撮影条件:所在は長崎市、撮影日は2023年1月26日 午後13時、晴れのち曇り、外気温6℃でエアコンは200V 18帖用を23℃風量自動です。
※ドアはトイレ、洗面所は開けています。
※換気は壁付けパイプファンでco2濃度を1000ppm以下で回しています。
※サーモグラフィー画像は赤や青で表示された色温度だけに引っ張られるのでなく、①、②、③などの番号のそれぞれの温度を参考ください。
LDK(18帖)
- ①床温度 / 19.4℃
- ②壁温度 / 22.4℃
- ③天井温度 / 22.0℃
- 最低温度 / 16.6℃
エアコン近くのリビングです。
床温度が壁より3℃低く、19.4℃。
壁が22.4℃という結果となりました。
古いアパートや一戸建てなどの環境で過ごしている方からすると快適。
高気密高断熱の家に慣れた方だと床温度をもう少し上げたい
って感じかな?
ただ、TVボード付近の床温度は低く16.6℃しかないので、場所によって快適な床と不快な床が存在しています。
ちなみに、自分が住んでた1棟目の家も大体この程度の室内環境でした。
今となっては寒いですけど、当時は冬を着込んでましたし、そんなもんかぁ~って感じでしたね。高気密高断熱の家を体感したことなかったので。
キッチン
- ①床温度 / 17.8℃
- ②壁温度 / 19.8℃
- ③天井温度 / 20.7℃
- 最低温度 / 15.7℃
床温度が17.8℃ということで、裸足だと足元が冷たく感じると思います。
対して、壁は20℃近くあるので、足元以外は悪くはない状態。
築30年(床温度15.5℃)、築50年(15.2℃)の家に比べると随分と暖かくなりました。
洗面所とトイレ
キッチンはリビングに接していたので悪くない温度でしたが、トイレと洗面所は少しの廊下を挟んで若干離れています。
床温度は約15℃と、リビングの床温度に比べて4℃低いです。
オーナーさん曰く、洗面所、トイレのドアを開けていてもそこまで暖かくはならないので、通常はドアは閉め切っているとのこと。
こちらも築50年、築30年の家と比べるとかなりマシになりました。
2022年新築の高断熱の家(G1グレード)
こちらは私の会社、あおぞら不動産の建売物件です。
ついに、高気密高断熱の家の登場です。
- 2022年11月新築
- 32坪(105㎡) / 2階建て
- 高気密高断熱の家
- 断熱性能:Ua値0.52 / HEAT20のG1グレード
- 気密性能:C値0.4
現場測定の結果、気密性能がC値0.3だった高気密な家です。
断熱性能は※ HEAT20 のG1グレード。
(※一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)
ほぼZEH+の性能ですね。
車でいうと1ℓあたり15km~18kmあたりの燃費ってとこ。
※2023年より床断熱が90mmに仕様変更されました。
サーモグラフィー画像で室内温度を確認
※撮影条件:所在は長崎市、撮影日は2023年2月3日 午前10時、曇り、外気温7℃でエアコンは200V 14帖用を23℃風量自動です。
※撮影日の関係で外気温が先程の家より2℃高く7℃あります。不公平になり申し訳ございません。
※ドアはトイレ、洗面所、1階洋室は開けています。
※サーモグラフィー画像は赤や青で表示された色温度だけに引っ張られるのでなく、①、②、③などの番号のそれぞれの温度を参考ください。
LDK(16帖)+3.4帖洋室
- ①床温度 / 21.4℃
- ②壁温度 / 21.6℃
- ③天井温度 / 22.4℃
- 最低温度 / 16.2℃
ローコストの家は壁と床の温度差が3℃ありましたが、こちらは壁21.6℃→床21.4℃と1.2℃の温度差に抑えられています。
自分の感覚では、23℃が最適、21℃あればとりあえず大丈夫って感じなので及第点です。(23℃ないとダメって人もいるので、この辺は個人の感覚次第です)
もっと言うと、玄関付近の床温度は16.2℃と冷たいことから、玄関まわりの断熱はもっと強化する必要がありそうです。
玄関土間は断熱材をしっかり入れて施工しているので、玄関ドアの断熱性能を上げれるとベストかなと思います。
脱衣所
- ①床温度 / 21.6℃
- ②壁温度 / 22.6℃
- ③天井温度 / 22.6℃
- 最低温度 / 19.8℃
こちらも床温度は壁温度より1℃低く21.6℃ありました。
また、①の床温度は従来であれば断熱気密が弱い部分である床下点検口です。
昔の家で、床下点検口(収納)から冷気がたくさん来る!みたいな経験ありますかね。
しっかり気密断熱されていることがわかりますね。
また、リビングの床温度が21.4℃に対して、洗面所は21.6℃あります。ほぼ変わらない温度なのは自分の建てた物件ながら、素晴らしいことだと思います。
トイレ
- ①床温度 / 18.9℃
- ②壁温度 / 21.1℃
- ③天井温度 / 21.1℃
- 最低温度 / 17℃
トイレはリビングに比べると床温度が冷たく18.9℃という結果に。
脱衣所より床温度が下がったのは、脱衣所にはパイプファンがなく、トイレにはあるからでしょうか?
20℃くらいに高めていきたいと思いました。
ユニットバス(お風呂)
キッチンを惜しくも撮り忘れたので、ついでにお風呂を。
全体的に18℃以上あり、悪くない室内温度ですね。
2022年新築の高気密高断熱の家(G2グレード)
こちらはあおぞら不動産の注文住宅です。
標準はG1グレードですが、G2にアップグレードして頂きました。
- 2022年6月新築
- 26.55坪(87.77㎡) / 2階建て
- 高気密高断熱の家
- 断熱性能:Ua値0.45 / HEAT20のG2グレード
- 気密性能:C値0.2
現場測定の結果、気密性能がC値0.2だった高気密な家です。
断熱性能は※ HEAT20 のG2グレード。
(※一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)
車でいうと1ℓあたり18km~21kmあたりの燃費ってとこ。
BELS(省エネルギー性能表示制度)の5つ★の認定も取得しています。
サーモグラフィー画像で室内温度を確認
※撮影条件:所在は長崎市、撮影日は2023年2月6日 午前11時、曇り、外気温8℃でエアコンは200V 14帖用を23℃風量自動です。
※撮影日の関係で外気温がローコストの家より3℃高く8℃あります。不公平になり申し訳ございません。
※ドアはトイレ、洗面所は開けています。
※サーモグラフィー画像は赤や青で表示された色温度だけに引っ張られるのでなく、①、②、③などの番号のそれぞれの温度を参考ください。
リビング①
- ①床温度 / 23.3℃
- ②壁サッシ温度 / 25.1℃
- ③天井温度 / 25.3℃
- 最低温度 / 22.3℃
エアコンから少し離れたところの床温度は23.3℃と、とても良好な温度です。
全身ヒートテックだったので、少し暑かったです。
従来のアパートやマンション、戸建てから引っ越してきた方は必ず「暖かい」と感じるのではないでしょうか。
ちなみに、こちらの施主さんは元々築30年以上の古いお家に住まれていたせいもあってか、普段は21℃のエアコン設定で十分だそうです。
リビング②
- ①床温度 / 22.3℃
- ②壁温度 / 23.2℃
- ③天井温度 / 22.8℃
- 最低温度 / 21.2℃
エアコンから離れたダイニング、キッチン側も念のため撮影してきました。
床温度は22.3℃と十分な暖かさでした。
キッチン
- ①床温度 / 22.3℃
- ②壁温度 /22.9℃
- ③天井温度 / 23.2℃
ローコスト住宅のキッチンの床温度が17.8℃だったことを考えると、22.3℃もありかなり快適であることが分かります。(ただし、外気温差が3℃あります)
床、壁、天井の温度差が小さいのも高気密高断熱の家の特徴的な部分ですね。
トイレ
- ①床温度 / 21.1℃
- ②壁温度 /22.3℃
- 天井温度 /22.4℃
- 最低温度 / 19.4℃
換気が壁付けパイプファンじゃないのも影響していそうですが、床温度が21.1℃と、G1では18.9℃だったのが20℃を超えました。
ただ、まだこれでも21℃と人によっては寒く感じるレベルなので、予算次第ですがG2.5レベルを目指すのもアリでしょうね。
脱衣所
- ①床温度 / 23℃
- ②壁温度 / 25℃
- ③天井温度 /25.4℃
- 最低温度 / 22.1℃
こちらもG1に続き、トイレに比べて暖かい結果となりました。
トイレの配管の熱橋処理不足か?サッシの位置、種類の違い?(脱衣所には高窓で、トイレには腰窓)
トイレの床温度については改善をしていきたいと強く思いました。
階段(1階から撮影)
- ①床温度 / 21.5℃
- ②壁温度 / 21.9℃
- ③天井温度 / 22.5℃
- 最低温度 / 20.6℃
このお家はリビング階段になっており、階段にはドアが付いていません。
従来の感覚であれば、冬に階段のドアは閉めていないと、、、
「こら!ひろし!ドアを閉めなさい!!」
と怒られていましたよね、、、
階段から冷気がバンバンと降り注いできていました。
が、このようにここまでの高気密高断熱の家になると、階段にドアは必要ありません。
階段(2階から撮影)
むしろ、ドアがないおかげで一階リビングのエアコンの暖気がしっかり上がって来てくれて、2階の廊下まで快適。
2階廊下
2階の廊下の床温度は21.8℃と良好な状態。
エアコン一台で全館暖房ができていますね。
2階の寝室で寝る時は、寝室の小さなエアコンを低運転するか、そもそも2階のエアコンは付けずに寝ることもあるそうです。
築2年の超高気密高断熱の家(G3グレード)
- 2020年12月新築
- 28.55坪(94.40㎡) / 平屋建て
- 超高気密高断熱の家
- 断熱性能:Ua値0.26 / HEAT20のG3グレード
- 気密性能:C値0.1
現場測定の結果、気密性能がC値0.1だった高気密な家です。
※自宅の気密測定の時に大工さんに気密検査の結果が悪かったドッキリを仕掛けた動画です。
断熱性能は※ HEAT20 のG3グレード。
(※一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)
車でいうと1ℓあたり25km以上走るくらいの燃費ってとこ。
床を無垢材の厚みがあるものを使って強化したかったのと、換気は第一種熱交換換気にすればよかったと後悔しています。(そんなお金ないけど)
サーモグラフィー画像で室内温度を確認
※撮影条件:所在は長崎市、撮影日は2023年2月6日 午後17時、曇り、外気温7.7℃でエアコンは200V 14帖用を23℃風量自動です。
※撮影日の関係で外気温がローコストの家より1.7℃高く7.7℃あります。不公平になり申し訳ございません。
※ドアはトイレ、洗面所、リビングからトイレへ通じる廊下は開けています。
※サーモグラフィー画像は赤や青で表示された色温度だけに引っ張られるのでなく、①、②、③などの番号のそれぞれの温度を参考ください。
当日の温湿度はこんな感じでした。
※子供部屋、玄関、寝室はドアを閉じています。2~3℃温度が落ちていますね!
リビング①
- ①床温度 / 23.3℃
- ②壁温度 / 23.8℃
- ③天井温度 / 24.3℃
- 最低温度 / 21.4℃
床温度が23.3℃ということで、ほとんどの方が快適と思われる床温度に。
むしろ、従来の断熱性能の家で厚手の服を着て生活をされている方からすると、暑いと言われると思います。(体の慣れの問題)
事実、最近妻の妹が泊まりにきたんですが、ずっと暑い暑いと言っていました(笑)
リビング②
- ①床温度 / 23.5℃
- ②壁温度 /23.8℃
- ③天井温度 / 24.4℃
- 最低温度 / 20.0℃
一応別アングルも。
同じく快適温度です。
築30年の家と改めて比較すると、温度差は一目瞭然です。
※低いところは冷たく、高いところは暖かい。
キッチン
- ①床温度 / 22.3℃
- ②壁温度 / 23.1℃
- ③天井温度 / 23.6℃
- 最低温度 / 20.1℃
G2のキッチンの床温度が22.3℃で、こちらも22.3℃だったので丁度同じ床温度となりました。
脱衣所
- ①床温度 / 22.6℃
- ②壁温度 / 23℃
- ③天井温度 /23.8℃
- 最低温度 / 21.3℃
G2の家の床温度が23℃、こちらが22.6℃ということで、なんと我が家のほうが若干寒い!という結果に。
エアコンや間取りの違いもあるので誤差かな?
トイレ
- ①床温度 /22.1℃
- ②壁温度 /23.1℃
- ③天井温度 /22.6℃
- 最低温度 /20.2℃
トイレはG2が21.1℃に対し、22.1と1℃暖かいという結果に!
(まぁこれもエアコンや間取りの違いの誤差ではありますか)
ついでに、長崎ではまぁまぁ珍しい、外気温が-2.1℃の時のものも掲載しておきます。
リビングのエアコン23℃設定ではリビング以外の部屋が寒かったので、脱衣所の6畳用100Vエアコンを21℃弱風量、リビングの14帖200Vエアコンを23℃弱風量での2台運転としました。
APW430 大開口スライディングの前だけ寒すぎだろ~!寒すぎた!
※いまだ、APW430 大開口スライディングの冷気問題は未解決
断熱性能ごとの床温度まとめ
断熱性の通りのデータとなりました。
それぞれの断熱性能の価格差
簡単にですが、、、
30坪の二階建て総二階の家で
断熱等級4が0円とします。
G1~G3へアップグレードする場合の費用は、、、
G1は約100~120万円
G2は200~250万円
G3は300万~350万円
この程度かと思います。(2023年2月現在試算)
ちなみに、ちゃっかり宣伝しておくと、、、
あおぞら不動産で建てる場合。
こちらほぼ建物の総額の金額です。
(※30坪二階建て、総二階の場合)
G1 = 2,100万円(税込)
G2 = 2,200万円(税込)
G3 = 2,350万円(税込)
人により、上記金額にオプションで乾太くん、人工木ウッドデッキの拡張、無垢床、キッチンのグレードアップなど追加で100~350万円程度のオプション費用があります。
ちなみに、全てを自然素材で仕上げようと思うと、G3の場合は2,900万円~になるとおもわれます。
持論と結論:どの断熱性能の家を建てるべきか
先程の床温度の表と、断熱性能ごとの価格差をみながら持論を展開してみます。
結論から言いますね!
あとは、予算感と土地、性能、家、デザイン、外構、駐車場や庭の広さのどれを優先するか?床温度は何度欲しいか?何年住むか?で考えるべき。
で、個人的には、亡き父から受け継いだこの会社でお客様を幸せにしたい。
そう考える私が提案したい住宅はG1以上の断熱性能の家です。
なぜなら、、、
「実感」として、G1あれば服を少し着こめば快適だから。
※個人の感想です。人それぞれ体感は異なります。
G1~G3を体感できる施設があればいいのですが、中々ないので、、、
暖かさや涼しさを第一に安全側で提案するとすると、G2は欲しいなと思います。
G3については、長崎の若年層が余裕をもって支払っていける金額ではないですし、、、
あと、不動産もやっていますので、ついそっち目線でも見てしまうのですが、、、
現状では、高気密高断熱の家もローコストの家も資産価値としては、ほぼ変わりません。
例えば、私の家を今から売却するとすれば、Youtubeやブログで高気密高断熱の良さを発信していますし、ブランディングできているので、高値が付く可能性は高いです。
価値を分かって頂いている方が集ってくれるので。
何よりも室内の快適性を第一に考えたい!!という方やお金が有り余っている方はG3を是非!!
G3の快適性については自分が保証します。
(あ、第一種熱交換換気はお忘れなく)
断熱性能だけではダメ。気密性能もセットで大事
いくら質の良い断熱性をしっかり施工しても、気密(隙間)性能が良くないと、あちらこちらから隙間風が入ってきて、本来の断熱性能は発揮されません。
ウェルネストホームさんの例えが上手いなぁと思うのですが、、、
断熱性能は「あたたかいセーター」で、気密性能は「ウインドブレーカー」です。
2023年現在、ほとんどの住宅会社が気密検査はおろか、気密工事をしていません。
快適な室内温度を実現するには、断熱性能がG1以上であることはもちろんのこと、、、
しっかりとした断熱材の施工、気密工事、工事中の気密検査
最低限、このあたりは確認してから契約を進めていきましょう。
そして、築30年以降の断熱性能がよろしくない家は、できれば購入時に断熱改修をするのが望ましいですね。
最後に、断熱等級4のローコスト系の住宅です。
リビングは19.4℃とちょっぴり寒い。けど服を着こめばOK。
トイレや脱衣所は寒い。服を着ても寒い。
でも、初期コストや月々の支払いは抑えられるローコスト。
これはこれで良いと思いますし、分かった上で購入するのはOK!!
ただ、自分がお客さんに2023年2月現在、勧めたい最低ラインはG1以上。
もっと言うなら、G1を起点に、基本G2やG2.5を勧めます。
何度も言いますが、これは自分の実感として。そしてコスト的にですね。
ローコストの断熱等級4からG1の差額は100万円程度です。
それで、かなり快適性が変わりますので!(気密性や施工精度も大事)
最後に、同じUa値でも室内の快適性が変わります。
例えば、屋根の断熱材だけ厚くして、Ua値を稼いだり。
実感として思ったのは、今回のG2の家の外張り断熱30mmはかなり効果的でしたね。
樹脂サッシをペアからトリプルにするんでなく、外張り断熱をした方が間違いなく効果的です。
断熱性能ごとの2022年の電気料金
こちら、先程の築30年の家、築6年のローコスト、築2年のG3の家の電気代です。
※築1年のG1.5の家だけ、先程のサーモグラフィー画像には登場しておりません。
※築6年ローコストのみ、太陽光パネルを屋根に載せていますので、太陽光パネルを乗せていない場合だと、2022年の年間電気料金は約¥160,000~¥180,000-程度になるとのことです。
※G3とG1.5の家は節電意識無し。築30年の家は節電意識まったく無しの使いまくり。ローコストの家は超節電家です。 左から、4人家族、3人家族、5人家族、3人家族
2022年の年間電気料金は、下記の通り、、、
この結果を見て思うのが、築30年の家でエアコン付けっぱなしともなると、さすがに電気料金が高いんだなってことと、、、
G3もG1.5もローコストも、思ったより電気料金に差はないんだなってことですね。
それもそのはず。
オール電化の住宅に占める電力消費割合って、冷暖房費は約30%だけなんですよね。
「冷暖房費」で断熱性能ごとに比較するならまだしも、「電気料金」で比較したところで、家族構成も暮らし方も、使う家電も、日当たりも全然違うのであまり参考にはなりません。
高気密高断熱の家に住むと、「電気料金」がガクッと下がる!!
って以前の自分は思ってたんですが、そうではないってことを以前の自分に伝えたいですね。
ただ、3割の冷暖房費が1~2割抑えられつつ、家全体が暖かく、涼しく、快適になる。
そう思えば、高気密高断熱の家ってやっぱり良いなって思いますね。
高気密高断熱の家の暖房費や電気代
てなわけで、ツイッターの皆さんに2023年1月の電気代(できれば暖房費推奨)を募集してみました!!
ツイッターには高性能住宅在住の方が多く、G2、G3のデータばかり集まりましたが、全国津々浦々、たくさんのデータ提供頂きました。ありがとうございます!!
高性能住宅にお住まいの方々の暖房費、電気代はこちら!!!
※それぞれ家族構成や日射量など条件が異なりますので、質問があればそれぞれ直接ツイッターで質問されると、大喜びする方ばかりですので、ぜひぜひ!
(すみませんが、皆さんご対応をば、、、)
(※漏れがあったら教えてください。。。)
香川のさぬぺんさんは2023年1月1日~1月28日で暖房費わずか3,200円。
真冬でも1日100円ちょっとで全館快適。最高です。
その他、↓のツイートにたくさんの情報を寄せられておりますので、参考になると良いなと思います。(全て掲載するとブログが重くなりすぎるので、すみません。)
高気密高断熱の家にかけたお金は回収できるの?
こちらは、私が尊敬する オーガニックスタジオ新潟の相模稔社長。(掲載許可頂きました)
渋くてカッコいい社長が経営するオーガニックスタジオ新潟さんの家は性能もさることながら、ブランディングも、住宅デザインも最高。
こちら、新潟市主催のエコハウスの伝え方セミナーで相模社長が使われた資料
あくまで北国の新潟の話だと思いますが、G3の家はZEHに比べて初期コストが約300万円高いですが、30年スパンで見ると光熱費が半分以下に抑えられるので、回収できるとのこと。
初期費用はかかるものの、光熱費だけで断熱コストを回収できるなら、素晴らしいですよね!
しかも、光熱費とは別にG3なら健康寿命も伸ばせますし、病気にかかることも少なくなるので医療費も抑えられます。
九州での30年スパンでのグラフも見てみたいですね!
自分としては、長崎でG3にしたときに30年後回収できるという根拠と確信がまだ自分の中にないので、、、
今回のブログように実験、実感して確証を得たら光熱費で回収できるトークでG3を推せるかと思いますが。
まずは、通常3割かかる光熱費が1~2割抑えられて、年間快適になる。
これと今回の断熱性能ごとのサーモグラフィー画像で、十分、G1~G3の家の魅力が伝わると思いますね。
では、今回は以上です。
本当に長いブログとなりましたが、もし最後まで読んでいただけた変態さん、撮影にご協力頂いた方々、ありがとうございました!
長崎やその近辺に住んでる方でしたら、自宅を展示開放していますので、是非見に来てください(笑)
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