なぜ新築住宅には「安い家」と「高い家」があるのか?│価格差の理由と、本当にコスパがいい家について

家の価格、性能、サイズ、デザインのバランスを極めつつある男、河浪宇宙です。

幼稚園の頃のあだ名は宇宙人です。


今日はなんとな~く?皆さんが感じているであろうテーマについて、どストレートに語ります。
先に言っておきますがこのブログは約6,000文字あります。でもとても良い記事だよ。


「なぜ新築住宅には「安い家」と「高い家」があるのか?」

これ、説明できますか?結構むずかしいですよね。
車だったら、なんとなく説明できる気がしません?

例えば、ダイハツの軽自動車のミライースは内外装がお金かかってなさそうで安いし。燃費もいいよね。でもあんま走んなさそう!
トヨタのアルファードは内外装にお金かかってそうだし、乗車定員も多いし高そうだし。
トヨタのプリウスはハイブリットで普通車だけど燃費めちゃくちゃいい割に高すぎるわけじゃないし。

燃費、乗車定員、衝突安全性、排気量など、家に比べて単純で分かりやすい。
何よりメーカー側の表示が親切で頭にスっと入ってきやすいのだと思います。

対して、住宅は断熱性能、気密性能、耐震性能、換気設備、防蟻、地盤、木材の種類、サイズ、間取り

などなど…断熱性能や気密性能は昨今、表示がわかりやすくなってきた部分はありますが、車に比べてあまりにも種類が多く頭が痛いですよね。

そこで今回はそんな分かりにくいブラックボックスの新築住宅には「安い家」と「高い家」がどのように存在し、なぜ価格差が生まれるのか。解説していきます!

なぜ価格差が生まれるのか。

ズバリ、、、私はこの6つがキーポイントであると考えます!

  • 基本性能の差(断熱性能、気密性能、耐震性能など)
  • 詳細部材の差(基礎の鉄筋の本数やサイズ、構造材の…etc)
  • 仕上げ部材の差(タイルで仕上げるか、タイル調の壁紙で仕上げるかetc)
  • 打ち合わせ手間の差(打ち合わせ回数が多いか少ないか)
  • 無駄が多いか少ないかの差(未だにFaxを使う or AIでごりごり進めるみたいな差)
  • 協力会社の質の差(工務店を取り巻く工事業者、建材屋、メーカーなどの差)

基本性能の差

これはとても分かりやすいと思うのですが、単純に断熱性能や気密性能など自社の標準仕様がどのくらいのレベルでやっているかで価格が変わります。

詳細部材の差

これはとても難しい部分で素人さんがここまで考えるのは難しいのかもしれません。
具体的には二次防水の屋根や外壁の防水シート、柱の本数やサイズ、鉄筋のピッチやサイズ、補強筋の有無などです。

仕上げ部材の差

これも分かりやすいようで分かりにくい部分かもしれません。
例えば洗面所の壁を本物のタイルで仕上げるのか。クロス(壁紙)などのタイル調で仕上げるのか。
床を杉の無垢材で仕上げるのか。木目調のフローリングで仕上げるのかで初期コストはうんと違います。

興味がない方にはあまり分かりづらい部分かもしれません。

お打合せの手間の差

ここが家づくりの面白くも難しい部分だと思っています。
凝った家づくりをする会社さんほどお打合せに時間がかかるので、スタッフの人数が必要でそれぞれのスタッフの手間(時間)もかかります。それだけお金がかかる家づくりになるということです。

ですので、時間をかければかけるほど良いというのは半分正解で半分間違いです。(お金が前澤友作みのある人は除く)

無駄が多いか少ないかの差

上記の話とも被ってくるのですが、凝った家づくりにしているとそれだけスタッフの数が増えます。
ということはそれだけサボる人数も増える=無駄が増えます。

大きな会社で創業50年だとします。とても立派なことだとは思いますが必ずといっていいほどLINEもうまく使えない。メールも怪しい。Fax最高!!なおじさんとかがいます。

大抵、お客さんとの打ち合わせの段取り悪すぎて、いつまでも仕様が決まらないし。発注も遅いし。
挙句の果てには現場が進んでいって、発注はしていないので材料が大工さんの元に届かずに現場が進まなかったりします。それは大工さん、お客さん、会社への大きな損失となります。

全て今まで13年間の中の色んな業界人との雑談の中で聞いた話になるのですが、ここでは書き切れないほどの無駄が存在します。

協力会社の質の差

(※協力会社代表 株式会社クロダ 岡本 雄太郎)

結局は大元の住宅会社が集めた協力会社なので、住宅会社の質でもあるのですが協力会社の質で大きな差が生まれます。例えば、住宅会社がメインで仕入れている建材店がメーカーとの関係値がよく仕入れが安ければ、それは住宅会社のパワーとなります。

例えばこの前のオイルショックの際にも、建材店がやり手であり、かつ住宅会社との関係値が高ければ材料が完全に入ってこない!までの事態にはならなかったかもしれません。(実際に弊社は大丈夫でした。)

安い家=悪い、高い家=良い、とは限らない。

ローコストの地場工務店の家から高級なハウスメーカーの家まで色んな家を見てきましたが、「安い家=悪い、高い家=良い、とは限らない」と考えます。

若いときにBMWのSUVの高い新車を買ったら、事故しても軽自動車よりは安心でしょう。
一つしかない命を守る可能性が高まります。しかし車貧乏になって貯蓄や投資、遊びや服などにお金を使うことが難しくなります。

そのように買うタイミングやその人の将来の人生設計、その時の環境によって

高い家は悪魔になり、安い家は天使になる。

逆も然りです。

どこを削って、どこにお金をかけるべきか。

初項で説明した部分に話を戻します。

  • 基本性能の差(断熱性能、気密性能、耐震性能など)
  • 詳細部材の差(基礎の鉄筋の本数やサイズ、構造材の…etc)
  • 仕上げ部材の差(タイルで仕上げるか、タイル調の壁紙で仕上げるかetc)
  • 打ち合わせ手間の差(打ち合わせ回数が多いか少ないか)
  • 無駄が多いか少ないかの差(未だにFaxを使う or AIでごりごり進めるみたいな差)
  • 協力会社の質の差(工務店を取り巻く工事業者、建材屋、メーカーなどの差)

簡単に言うと、上記をどこの部分まで拘り、お金をかけたいか
自分なりにそれぞれ1~10レベルで点数を付けると良いわけですが…

それをするにはそれなりに勉強する必要があるわけですね。
で、どこを削って、どこにお金をかけるべきかは人それぞれの価値観によるので私の意見が万人に当てはまるわけではありませんが。

せっかく今回は私が運営する「ウチュウブログ」をここまで3,250文字も読んでいただいているわけでして。
ここはあえてポジショントーク増し増しで行かせて頂ければ。

私が新築住宅で重きを置く部分

まず最初に言っておきますが、私の場合、すべてを10点満点にする家づくりは目指していません。
なぜならそれはおわかりの通りかと思いますが、高得点はコスト増につながるからです。

だから私が建てる自社の家ではこれから書く事柄について特に重きを置いて家を建てています。

基本性能の差の部分

断熱性能はG1(ZEH水準以上)。余裕があればG2
気密性能はC値1.0以上(工事中の測定を推奨)
耐震性能は耐震等級3の認定を取得(性能表示計算以上を推奨)余裕があれば許容応力度計算
換気は局所のパイプファンでもOK。余裕があったら第三種ダクト式換気か第一種ダクト式換気

私がここ5年で導き出した答えはこれです。コストも加味しやりすぎないことがポイントです。
(上記は九州は長崎での話です。特に断熱気密性能)
とりあえず何もわからない人は上記だけ守って建てれば最低限 住み良い家になります。

詳細部材の差の部分

細かい部分まで話すとキリがありませんので特に伝えたい部分。
住宅は雨漏りと白蟻、内部結露にやられなければ、メンテナンス0でも良好な状態を保つことができます。

そういう意味で私が重きを置く部分は屋根、外壁の防水シート、外壁、屋根材、シーリング材。
そして防蟻です。(白蟻対策)

屋根の防水シート(ルーフィング)は一昔前の新築住宅や今でもローコスト系の住宅会社で使用されている「アルファルトルーフィング940」は使用しないようにしましょう。「改質アスファルトルーフィング」以上にしよう。


もっと予算が許すならウルト社の透湿ルーフィング「ウートップ」なども視野に入れる。

次に外壁の防水シートも大事でデュポンのタイベックやフクビのスーパーエアテックスなど 20、30年以上の耐久性を謳っているものを推奨したい。

なぜなら中に隠れている防水層なので、あとから簡単に変えることはできないからです。
それでいて雨水の侵入を防止する部分なので大事なのは言わなくてもわかると思いますが!

私の会社、あおぞら不動産ではウルト社の「ウートップ ハイムシールド」を使用している。
なんとこの防水シートは耐用年数80年と驚きの高耐久です。


で、なぜコストに拘る私がこんなに良すぎる部材を使っているのかというと、この部材は建材店がうま~く大量仕入れでびっくりするくらいの安価で仕入れて頂いているので、そのお零れを頂いているからです。

これも前項で説明した協力会社の質の差が響いてきます。


外壁はケイミューの光セラで20~30年以上持たせる。もしくは漆喰などの塗り壁系もカッコよくてメンテナンス費用はそっこまでは大きく掛からない。(常にキレイに保とうとするとかかるかもだけど)

屋根はとにかくコロニアルじゃなくて瓦やガルバリウム鋼板を使用しよう。耐久性が段違い。 

外壁と外壁の間や屋根との取り合いに施工する「シーリング材」は外壁並みに高耐久なものを使用する。

なぜなら外壁は高耐久なのにシーリング材が劣化して打ち替えが必要だと、わざわざそのためだけに足場設置が必要でお金でかかるため。

理想は屋根、外壁、シーリング材のメンテナンス頻度を合わせること。(そんなに簡単にはいかないとは思われますが)

なので、シーリング材はケイミューのスーパーシールやオートンイクシードなど高耐久のものを使用する。
良いシーリング材はずっと「ぷにぷに」してて切れる心配がない。悪いシーリング材はすぐに固くなって切れて雨漏りの原因となる。

そして最後に白蟻。弊社ではJIOの基礎パッキンで基礎内の換気をしっかりしつつ、JIOからの保証もあり。(これは超どこでもやっていることですが)

さらにここは少し特殊ですが構造材全てにホウ酸のドブ付けを行っている。
しかもこれにかんしても保証有り。

白蟻については白蟻屋さんに直接連絡すれば床下やら家の周りやら無料で点検して頂ける場合が多いので、工務店に連絡するのも手ですが面倒な場合は、知り合いや、評価がよさそうな自分で呼べる白蟻屋さんの業者さんを探すのもベスト。

しかし点検では見れる範囲が限られているのでやはり定期的な防蟻や保証は大事だね!

仕上げ部材の差の部分

例えば洗面所の壁を本物のタイルで仕上げるのか。クロス(壁紙)などのタイル調で仕上げるのか。
そのあたりのお話ですが、、、

近年よくある30坪の二階建てのお家でどこまで拘るのか。

外壁は窯業系サイディングでなるべく金属系ガルバリウム鋼板の見た目に近いストライプ系のものや塗り壁に近いものを使う。屋根は瓦屋根はガルバリウム鋼板。

内部は一階部分だけ無垢や自然素材系を使う。
キッチンの腰壁だけ本物のモルタルを塗ったり。
キッチンの背面だけ本物のタイルを貼ったり。

リビングだけクロス(壁紙)じゃなくて漆喰を塗ることもおすすめしたい。

コストの兼ね合いでクロスになりそうな場合はなるべくシンプルなものでTHE 〇〇調!じゃないものを選定する。など逃げ道はある。

もしくはサンゲツのMEGUReWALL(ヒノキを加工する際に出た端材を粉砕し壁紙の表面材として再利用した壁紙)とかはかなり質感高い。

なるべく一階の建具(室内ドア)は無垢にする。

上記を守るだけで簡単に誰が見ても1ランク上質な空間になる。

特に床や壁、天井は面積が広いだけに効果はバツグンだ。ピカッ!

打ち合わせ手間の差

これはほんと~にほんと~に持論になりますが、、、

打ち合わせ回数は多すぎてもダメだし、少なすぎても面白くない。

多すぎてもだら~として実りのない打ち合わせになるし、毎回めっちゃ疲れるし。
あまりに少なすぎても建売じみてて面白くないし。


適度な打ち合わせ回数というものが存在する。

そして私はここ13年の経験を元に適度な打ち合わせ回数を編み出した。


自社の家づくりでは「必要なところにしっかり時間をかけつつ、無駄な打ち合わせはしない」という形にしています。

具体的には、約5ヶ月の家づくりの中で、

①間取りのヒアリング・提案
②外装・内装などの仕様決め
③コンセント・照明・下地・クロスなどの詳細決め
④外構・カーテンなどの最終打ち合わせ

という大きく4つの段階に分けて進めています。

間取りは1~2回程度で決まることが多く、仕様についても基本的には標準仕様をある程度決めているので、ゼロから何百種類もの中から一つずつ選んでいくような打ち合わせにはしません。

もちろん、お客様によって回数は増減します。

大事なのは…

「打ち合わせ回数が多い=良い家」ではない


ということ。

打ち合わせには、お客様の時間だけではなく、営業、設計、現場、コーディネーターなど、会社側の人間の時間も使います。

つまり、打ち合わせが10回必要な会社と、5回で同じ完成度まで持っていける会社では、単純に人件費も変わってきます。

だから私は、

「必要な打ち合わせはしっかりやる。でも、無駄な打ち合わせは徹底的に減らす。」

このバランスが大切だと考えています。

家づくりは一生に何度もするものではないので、もちろん楽しくやってほしい。

でも、楽しいからといって何でも時間をかければいいわけではない。

お客様にとっても、住宅会社にとっても、ちょうどいい打ち合わせ回数がある。

これも、家の価格を考えるうえでは意外と大きなポイントです。

あまりに文章が長くなりすぎたので、、、

無駄が多いか少ないかの差(未だにFaxを使う or AIでごりごり進めるみたいな差)

協力会社の質の差(工務店を取り巻く工事業者、建材屋、メーカーなどの差)

上記は割愛させてください笑

とにかく大事なのは

「無駄を徹底的に削ること」

  • 営業・設計・現場の人数を必要以上に増やさない
  • 打ち合わせを丁度いい塩梅で最効率を求める
  • 標準仕様をある程度決めている
  • 徹底した仕入れの無駄のなさ
  • 協力会社との関係性を活かす
  • 集客のタイム・マネーコストに無駄がない
  • 顧客をファン化する

その中でも重要なことは、、、

「安くするために家の性能を削っているわけではない」

ということ。

むしろ、徹底して無駄がないと安くなりつつ家の性能は上がる。

「結局、安い家と高い家の違いは、単純な性能差ではない」



必要なところにはしっかりお金をかけて、必要ではないところにはお金をかけない。

よく大手がやってるような安心長期保証50年!とか安心させときながら、何かあったときに自社でしないと保証が効かないと言い高額な工事で利益を貪ったり。

見学に来て情報渡したら1万円QUOカードを渡したり。

そういう小手先の汚い営業手法は一切使わない。あくまでも長く生き続けるために正攻法で。

とにかくそういうことばっかり考えて仕事してきた13年間だったので、コスパがいいに決まっている。

私が考えるコスパの良い家。

コスパがいい家というのは、単純に坪単価が安くて初期費用が安い家ではありません。

100万円安く建てられても、10年後に大きなメンテナンス費用がかかるなら、それは本当にコスパがいいのでしょうか。

逆に、必要以上に高性能な設備や高級な仕上げ材を使って500万円高くなったとして、それがその人にとって本当に必要なものなのか。

それは素人さんにとって、考えるのはとってもとっても難しいことであると思う。

だから、僕が最もコスパが良い基本仕様を整えた。
お客さんはそれに自分好みの味付けをすればいい。

キッチンのグレードを上げたり、リビングの床だけ無垢材にしたり。

私が家づくりで目指しているのは、誰が見ても「すごい家」ではありません。

住んでいる人が「この家にしてよかった」と思える家です。

見えないところにはしっかりお金をかける。(あとで交換が難しいからね)
でも、必要のないところまでお金をかけない。

性能も、耐久性も、デザインも、メンテナンス性も、価格も。

どれか一つを極端に伸ばすのではなく、全部を見ながらちょうどいいところを探す。

それが、私が13年間家をつくってきてたどり着いた「コスパのいい家」の答えです。

「自伝・宇宙人と呼ばれた男」より宇宙人こと河浪宇宙とばーちゃん


幼稚園の頃、僕のあだ名は「宇宙人」でした。

13年間、家のことばかり考えてきた結果、今では自分でもちょっと宇宙人だと思います。

そんな宇宙人が考えた「ちょうどいい家」を、一緒に探してみませんか。

「この家にしてよかった」

その答えを、一緒に探しましょ。

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河浪 宇宙(Uchu Kawanami)

あおぞら不動産の工務、設計、広報担当。 年間約12棟の新築住宅を建てている経験を皆様へ共有できたらと思います!

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